【その他、カイトに関係する事柄】

◎4ラインカイトのセッティングについて

※この項目はウエストハーネスをお使いの方向けです。
  パンツハーネスには当てはまらないかも。

 新品のカイトは、それぞれ使うユーザーにあわせた調整を行いますよね。
その際のちょっとした考え方というか目安についてなのですが、
 右図を見て下さい。
Aのカイト(ウイング)バランス調整は機種によって様々で、それぞれマニュアルに依存し個人差はほとんど出ないと思われます。

 一方で@のフックの長さとあわせたバーの止まるエンドまでの長さ調節は、始めにやっておきたい要素です。
 購入した道具構成や腕の長さや体格によって数値で一概に言えず、最終的な長さにかなり個人差が出ます。
調整の仕方としては、ライディング中のフォームを基準に行うのが良いでしょう。

◎まずチキンループをフックイン。
 リーダーラインを体面に対して垂直になるようにします。
◎ウイングが風をはらんだ状態を想定して、バーをウイング側のエンドで止まった状態で、
コントロールバーの中央部に無理なく両手が届く状態が望ましいです。
◎上体を起こして迎えに行かないと両手が届かないような状態では長すぎると言えます。


※主にアップウインドを取る為のクルージング中、上体がバーを迎えに行く動作が加わると自然に腰が折れ、ライディング中にチキンループやハーネスから効率的にボードにパワーが伝えられない瞬間が生まれ、アップウインドが取りにくくなります。

 器用な人や、練習時間をいくらでも取れる人、すでに技術を身に付けてしまっている人は、そういうセッティングでも片手で「こんなものだ」とガンガン乗れていってしまう事柄なのでなかなか重要視されない事もありますが、
アップが取りにくくて困っている人はもう一度この辺を見直してみると劇的に変わる可能性があります。

この図で誤解しないで欲しいのですが、腰を曲げる事そのものが、常にダメと言う事ではありません。
あくまで基本的な姿勢に関しての事です。
 (様々な瞬間を捉えれば腰を曲げる事は少なくないですし、身体動作を臨機応変に使っての流れるようなマニューバーが出来れば、それは当然の事ながら美しい物ですからね。)

さて、実際の長さ調節についてですが、カイトギアの部材の構成上「迎角操作のバーのストローク」をかなり減らすしかない場合が多いですが、
完全に殺してしまわない範囲で、やってみる事をオススメします。
(練習時間の少なめ週末ライダーや、長く乗っていると腰が痛くなる人には特にですよ!)

 ライダーからのコントロールバーの距離自体が適切な長さである事のほうが、良いコンディションでより長い時間乗っていられると思います。
 ライディング中に腰が必要に応じて頻繁に入れられるようになるので劇的に疲れにくくなりますし、オーバーにも強くなります。

◎4ラインカイトの習熟について。

 カイトの練習の初めは、陸上練習用の小サイズのラムエアーや2ラインの物でやる事が多く、コントロールもパワーもバーに集約された感覚に慣れてしまいやすいはずです。
そしてそのまま、4ラインカイトで実際に海に出て練習するようになると怖さも手伝ってついついバーにしがみついてしまいがち。
海上に出てからカイトがうまく動かない(よく落とす)と言った場合、無意識に腕の力だけでカイトを手なずけようとしがちです。
片方を引く動作は十分すぎるはずですが、もう片方を押し遣る事が十分でない場合が多いと思います。
コントロールバーにしがみついた場合は性能を引き出す事は難しいように思います。
構造上、チキンがフックインされた状態ではカイトパワーは、ハーネスで受け止めるように出来ています。(右イメージ図参照)。
多少乱暴かもしれませんが、4ラインカイトのバーは左右のバックラインの差をつけてやる為(だけ)のものなのです。
初期の海上練習のボディードラッグの段階から、そんな感覚を覚える事も念頭に置いて、さくっと4ラインカイトに慣れてしまいましょう。
後のボードへの乗り込みも割とすんなりいくと思います。
この感覚は後々まで、上達の為のとても大切な要素です。


チキンがフックイン状態の4ラインカイト・・力の作用の方向


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