【ライディング:W】


〜パワー、スピードの制御→アップウインド〜

◎クルージング中のパワーとスピードの微調整

 クルージング(安定したライディングの状態)を維持したい場合においても、
基本的なカイト操作自体は、コントロールバーの左右両端の押し引き具合で調節しています。

 気を付けたいのは、安定したパワーが期待できる「進行方向からの空気の力」をうまく利用してやりたいところです。
大きく急激なカイト操作をやってしまう(ウイングを旋回させる時と同じくらいにゆがめてしまう)などの雑な操作は、
あまり好ましい事ではありません。

 クルージングの時には、あくまで 繊細なちから加減 でバーを操作し、
同時に、ボードは水面の状態に対応させつつダイナミックにコントロールする事で、
空中のウイング位置を調節し、そこから伝わるカイトからのパワーをボードに伝えながら、状態を安定させます。



● クルージング中におけるウイング位置の微調整
(=パワー調節、スピード調節)

※滑走時のウイング位置は
(橙色矢印)方向は「コントロールバー操作」、
(紫色矢印)方向は「ボード操作、踏み込み方」で
 調節していると言えるでしょう。
↓↓↓

※(当然逆方向に進行している場合は反対側に切る)

@
、微妙なバー操作。ウイングを進行方向に向けたまま、ウインドウの半球上でゆっくり上に持ってくる。根本的にカイトパワーをゆるめたい時や、飛翔する前の準備動作で使う。パワーをゆるめたいがライディングは維持したい場合などには、あまり頂点に持って来すぎると、上に引っ張られる都合上エッジングしにくくなる。注意。止まりたい場合は、Bの操作をしながらこの方法で頂点に上げる。


※(当然逆方向に進行している場合は反対側に切る)

A
、微妙なバー操作。ウイングを進行方向に向けたまま、ウインドウの半球状でゆっくり下に持ってくる。根本的にカイトパワーを増やしたい時に使う。あまり水平にしすぎるのもエッジングがシビアになる。強いボードエッジングと併せればハイパワーのローディング。

B
、ウイングをライダーより先行させる。主にボード操作による。
 ブレーキングかアップウインドかはその時のライディングスピードやボードエッジの当てる角度などによる。

 スピードがついていてボードの進行方向を風上に少し切ってエッジングした場合に、カイトパワーが緩んでこないでウイングが先行すれば、アップウインド。
 
パワーが緩んで徐々に失速する場合は、ブレーキングに働いていて、初速からして足りない事などが考えられる。


C
、ウイングが先行ししがちになり、パワーが緩むのが予測される様な時には、バーを引き込むこの操作。
 現象としてウイング位置が少し後退し、同じくらいボードが前(進行方向)に引っ張られるカンジ。
 ウイングの迎え角操作の為、水平カイト角が一定の角度に戻っている状態では、さらにバーを引いたところでパワーは得られない。
 あきらめてロックドインを解き再びウイングを上下に振る加速に移る。
 又、この状態でさらに引き続けるのは全体のスピードダウンにもつながるので、避けるのが普通。
 通常クルージング中のこのバー操作は、主に瞬間的パワーアップ(ボードスピードアップ)の為。
条件としては4ライン、チキンフックイン状態と多少限定的なものと言える。


◎アップウインド
 ライディングのスピードが十分出ている状態で、ボードをアビーム方向より少し風上に向けるようにエッジングを維持してやると、その方向にどんどん切れ込んで行く事ができます。
この時のウイングの位置は、静止時やアビーム以下の角度でライディングしている場合の本来のパワーゾーンから大きく外れていると思える角度(水平カイト角)にまで先行していくような状態になりますが、現実にはよりパワーを増した形でライダーを引っ張って行ってくれている筈です。
 このアップウインドの状態は、ライダー自身が受ける風の抵抗は風上に向かう都合上、多少増加しているのですが、「進行方向に進むことにより見かけ上発生する進行風」が、本来の風向き方向に偏向する事により、ウイングが実際に受ける風の力は増加し、より翼としての能力を発揮するようになる為に成立していると考えられます。
※通常時とアップウインド時風の影響

※パワーゾーンの変化(通常時:アップウインド時) アップウインドは、取れる乗り手からすれば、ものすごく経験的かつ感覚的にやってしまっている事です。
 その時の風や波といった数値的な計測が難しい自然現象に、ともすれば脊髄反射的に対応しているような場合が多すぎて、どこをどうすれば上れるのかというのを正確に説明するのは、実はとても難しい事だと言えます。
 しかし、この表現する上での難しさがそのまま技術的なハードルと言えるかと言えば、実感としてですがそれほどでもなく、多くの場合、きっと楽しくスリリングに練習に打ち込みながら上達していく事ができると思います。
 結局のところ、カイトボーディング特有の“エッジングの姿勢”と“スピード感覚”に早く慣れる事、これに尽きると言っていいのではないでしょうか。
スピードとアップウインドの為の適切なエッジングを保つと
カイトパワーを保ちながらウイングがウインドエッジに近づく。
  (図は、ある程度感覚的かつ暫定的なもの)



◎アップウインドのコツ(ヒアリングまとめ)

(証言1)
うまくアップウインドをとるには、カイトのセッティングはとても大事です。
練習していてなかなか思う様にいかない場合、このセッティングが大きな原因である場合も考えられます。
アップウインドが取れるなるべく上手い人に、自分のカイトとボードを使ってみてもらって感想を聞き、再調整してみるのも良いかも知れません。
どうも風上方向にボードを向けるとカイトに風下方向に引っ張られスピードが出にくい様な場合、ウイングの迎え角がキツイ設定になっている場合が多いみたいです。

(証言2)
 スピードをガンガン上げていくと、ボードのプレーニング状態が増し、エッジングが浅くなり踏ん張りが効かずに風下方向へさらに増速していくようなコントロールがしにくい暴走状態に陥る事があります。
 この暴走状態に陥る一歩手前位のスピードまで上がってきたところで、それまでより「ともすればブレーキングになる程の強めのエッジング」をその都度繰り返すようにしていくと、結果的にアップウインドが取れている事が多いです。(この辺の実感は乗り手の感覚に大きく依存するので一慨に断言は出来ません)
 その「一歩手前」を把握するには、あくまでケガをしない範囲でですが、経験としてどんどん暴走してみるのも一つの手だと思います。
 暴走を始めると、足が受ける抵抗がガクッと減り、水面の波が形作る凸凹が足下をすごいスピードで通り抜けていくのは、とても不安定で忙しくとてもヒヤヒヤする事でしょう。ですが、そんな状態からなんとかエッジングの為の正しい姿勢を維持し、コントロールを取り戻す努力をする事でより効果的なエッジングの体得にもつながりますし、結果的に自分がコントロールできるスピードレンジにも幅が出てくるように思います。

(証言3)

以下、追加予定・・・




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