【ターン、ジャイブ】

〜ライディングの方向を切り替える〜


遠くに行きすぎない様に引き返したり、障害物や対向してくる他の乗り手を避けたりする時に必要な技術です。

カイトボーディングは風を受けたカイトに引っ張られているつごう、ライディングの方向は大きく分けて2方向(2方面)であると言えます。
乗り手が風を背に「右方面に進む場合はウイングを右方向に」「左方面に進む場合はウイングを左方向に」向けて進んでいると言え、結果的にそれに合わせたボードコントロールが決まってきます。

 カイトとボードの進む向きを同じように、「右方面に進んでいたものを左方面に進むように」、「左方面に進んでいたものを右方面に進むように」それまでとは真逆の方向に転換してやる技術が、「ターン」や「ジャイブ」「トランジション」などと呼ばれています。

身体を一度水に沈めないでライディングの状態を保ったままこの方向転換を行う事は、カイトの方向転換のタイミングとパワーに応じたボード操作が必要になってきますので、ある程度の練習が必要です。

ライディングに際しては必ず行う技術なので、よりスムーズによりスタイリッシュなやりかたでこの方向転換ができれば、トータルでの見栄えが随分違ってくる要素なので、突き詰めてみると効果的です(※1)。

※1:ギャラリーからよく見えるのは、より岸に近づいた位置からです。沖から岸→岸から沖に方向転換する時に、かっこよく何かをキメていくのとそうでないのとでは印象からして違うかと思います。
◎ストップしてからのターン(スイッチバック)


【アニメ開く】(320kb)
最も基本的で安全な方法です。

ライディングの状態から、カイトをニュートラルゾーンに持って来つつ、ボードをこれまでの進行方向に対して強めにエッジを立てて踏ん張って止まります。ちょうどスタート時のニュートラルポジションになるようにします。
それからカイトをそれまでとは逆方向に振り、再スタートします。

 アップウインドが安定して取れるレベルになるまで、もしくは長時間乗りまくって疲れてきた時などにも、この方法はひんぱんに使います。


◎ボードをスライドさせるターン(スイッチバック)


【アニメ開く】(220kb)
ストップしてからのターンを、ウイングをニュートラルゾーンに止める事なくスムーズに逆方向に振ってやる方法です。
ストップしてからのターンのタイミングを段階的に素早くなるようにすると自然にできる様になります。

このターンの時に気を付けたいのは、ボードの上に立っていられるカイトパワーを保ちながら、ターン直前まで極力減速してやる事です。スピードがでている段階でいきなり逆に振ってしまうと、逆振りされたウイングを中心にして乗り手にこれまでのスピードに応じたかなり強力なモーメントが発生します。場合によっては引っこ抜かれて前につんのめったり、乗り手がウイングより風下に回り込んでしまいウイングを落としたりするので気を付けましょう。

ボードのレールをまんべんなく効かせてブレーキング、逆方向に振っても体勢を崩さない位の速度になったら、カイトを逆方向に振る操作をして同時にボードのエッジングを抜いて水面をスライドさせる瞬間を作ります。
スライドさせながら、カイトの向きに合わせてボードの踏み込みをスイッチしてやるとうまくいきます。

◎ジャイブ


〜トゥサイド(エッジ)ライディング〜
(つま先側でエッジングする乗り方)

【アニメ開く】(500kb)
ジャイブは特に、ライディングのスピードをなるべく殺さない、止まらない状態のターンと言えます。
様々なポジションやタイミングでのやり方があります。
まずは一例として、ターンアプローチの前に、トゥサイドライディングの姿勢を取っておくやり方です。
ターン開始前からある程度スピードが出ていても、ターン中に発生するカイトを逆ぶりした際の強いモーメントに対しては最も安定したヒールサイド(基本姿勢)でのライディングで抜ける事ができます。
スピード感や安定感のある見た目にもスムーズで“カッコイイ”ターンです。

トゥーサイドでのアプローチの段階からスピードを保ち、カイトを逆ぶりする入力をしたあたりでボードのエッジングを抜きフラットの状態を経ながら、ボード方向をカイトの動くより少し早めに回し込むくらいのつもりでタイミングをあわせつつ、エッジをヒールサイド側に移していきます。
この時、発生する強いモーメントをダイレクトにボード側に伝えてやる事で、大きなスプレー(水しぶき)をあげてやる事も出来るので、このあたりいずれかっこよくキメられるようになりたいものです。


さて、ここでネックになるのが“トゥサイドライディングでのアプローチ”についてです。
「ヒールサイドライディング中に、少しホップ(跳ねる)してやって瞬間的にボードを180°回し込めばいい」(※2)
この説明だけでいきなりトゥサイドライディング出来てしまう天才肌の人も中にはいます。
多くの場合、初めてのトゥサイドライディングに挑戦する場合、ボードを進行方向に対して瞬間的にでも「失敗したらつまずきかねない角度」に向けるのはなかなか難しい事です。
さらにそれが、スピードが付いている段階で切り替えるというのは、リスクが高いと思います。

これには「ホップの練習→180°の練習→トゥサイドライディング」の過程を地道に積むようにします。

(詳しくは以降の章参照、→【ジャンプ】【トゥサイドライディング】


※他にも、ターンやボードの回し込みのタイミングは様々です。
  状況にあわせて使い分けます。
  こちらも順次追加予定です。
※2:技名、180°
    (ワンエイティ)


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